美について

美とは何でしょうか。

すなわち価値だと思っています。マネーを支払う、時間を費すに値するもの。

それは、形状であったり、メロディであったり、サウンドであったり。シナリオであったりします。

よく整えられた美は工業化され、量産され、流通し、世にあふれます。日本国には、美があふれ、ありふれています。

自分の半生をふりかえってみると、やはり美を他者(人間そのもの)から得ようとしてもがき、失敗を繰り返してきたように思います。

美に対する尺度が他人と違いすぎるんでしょうね。

こんな癖の強い自分ですが、とかく美に対する嗅覚は自分で言うのもナンですが、磨いただけのことはあると思っています。

ゴミ溜めからお宝を掘り出すのが大好きです。

自分にとって、バクチは勝率が100%に近ければ近いほどよいです。字だけ見たら「そりゃそうだろ」と思うでしょうが、これはつまり投資というバクチのたとえ話です。

美で彩られたアイテムは、たいてい高く売れます。元が取れることが多い。均整がとれて、垢抜けており、「ふさわしさ」を感じさせる。その独特の雰囲気が、同じ人類に共通して「価値」を見せる。不思議じゃないですか?

だから、パッと見てガラクタなら、それはガラクタだし。パッと見てお宝なら、それはお宝なんですよ。

で、自分は自分がお宝だと認定する美を他人へ流通させ、喜ばせたい。お金儲けはそりゃしたいけど、それよりも「自分が『美とは、いかなることか』ということをわかっている」を肯定する作業をやりたいんですよね。

この「美に浸る」というやつは、本能的充足、他人からの承認よりもずっと深く自分を捉えて離さないです。なんだろうな。なんか、自分の人生の目的が「美の探求」としていつしか設定されたように思います。

とにかく、人間は物事に美を見るし、美を見なければ対価(マネー)を支払わない。

つまりマネーとは美に対する対価なんじゃないか。

そんなことを考えています。