アリアプロ2のB.C.Richコピーモデルの思い出

近所にマニアが住んでたんでしょうね。

自分の実家最寄り駅降りてすぐのリサイクルショップには、定期的に謎のジャパンビンテージのお宝が並びました。

ヤフージャパンがモデムを配り始める前だったと思います。

黒雲製作所のジャパンモズライト、TEJ、ダイヤモンド…。

色々仕入れては個人売買の掲示板で転売して儲けました。儲けといってもたいしたことはなく、差額2万円くらいで、その儲けは次の仕入れやチョコバーに消えました。貧乏だったので。

その中でも一際印象に残っているのが、アリアプロ2のBichコピーモデルです。

B.C.RichのBichという、typoかな?と思わせる名前ですが、これであっていて、10弦(12弦ギターみたいに複弦が張られているもの)のモデルと普通の6弦があったようです。

やたら多いスイッチ。スルーネック。異様に平たくて幅広の指板。これはお宝だぞと。ピックアップは、ディマジオ・スーパーディストーションが2発だったはず。24フレット。

2万円くらいでしたかね。ゲットしました。

で分解清掃するわけですが、とにかくとんでもなく手垢が溜まっていた。

エボニー指板だったっぽいですが、それが手垢だと認識できないくらいとにかく積もっていて、変色していて。

ヘラで押すと剥がれてくるから垢だとわかるんですが、プレステのコントローラーに溜まる手垢とはまるで比較にならないくらいとてつもなく堆積し変質した垢が。とにかくすごい。山のようにフレットにへばりついていた。

それをぞうきんとヘラで頑張って落とし、鳴らしてみる。ん?なんか歪んでるぞ。裏蓋をあけてみる。ブースター回路。初めて見る9V電池。電池て。ギターに電池がいるのか?

このBich回路の解析は自分の教養形成に非常に重要な意義がありました。シリーズパラレル組替えスイッチ。バリトーンスッチ。トランジスター。とても勉強になりました。

ただBichは変形ギターの宿命として、やはりストラップで吊ったときのバランスがどうしようもなく駄目でした。美しいんですけどねー。ボディ容積が足りないのか、ヘッド落ちするんだよなー。

あのボディエンドに唐突にあらわれる直線、あそこに10弦のうち4本をヘッド側から張るらしいので、SGと同じく。6弦のbichは未完成ギターなんだと思います。SGがサイドウェイ/ヴァイブローラ前提に設計されてるように。

自分が所有したギターとしては珍しく?難解すぎる回路に手をつける事なくお嫁にいきました。たしかね。

ボディ構造もすごくて、トップ/バックの合板、スルーネック、よくわからないバインディングもされていたと思います。

ベースか???っていうくらい幅広のネックで凄かった。